できれば、初めて訪問してくださったお客様にも、軽い気持ちで読んでいただきたい。
そう思います。
こんにちは、どこでもドア案内人JUJUです。
長編作品のお好きなパートへ、あなたをご案内します。
連載長編小説:あなたに愛を、僕に鎖を
BL/R18/暴力性弱
佐野(さの)が自分のサディズムに気付いたのは中学生の頃だった。暴力に明け暮れる毎日で漠然と感じていたことだったが、性的興奮につながった瞬間に男は自分を知った。
住友(すみとも)が自分のマゾヒズムに悩んでいたのは高校生の頃だった。人と違うことに快感を感じる自分の性癖を嫌悪していた。満たされることのない欲求と常に戦う日々、彼は苛立ちの中に生きていた。
彼らが出会ったのは桜のマークが市章の彼らが住まう町にある自動車教習所だった。
佐野は教習所の教官、住友は教習生だった。
パートナーの珠理(じゅり)とSMプレイを楽しむサディスト佐野と、満たされない心を埋めてくれる佐野への気持ちを日に日に大きくしていくマゾヒスト住友。
子供っぽい住友に腹を立て、サディズムをあらわにして責め、呆れる。それでも、突き放すことができずに心揺れ動く。
怒鳴り散らして怒られ、無理難題を命じられ、できないことをなじられ、不満を口にする。だが、マゾヒズムの疼く佐野の冷たさに心揺れ動く。
やっと互いの気持ちを知り、二人は主従関係を結ぶが、関係を築くための順序とルールを重んじる佐野は、無知であるがためにただ欲望のまま欲する住友に頭を悩ます。
パートナー同士の関係も、人間関係と同様、信頼できるかが大事だった。
二人の関係は、薄い氷の上を歩いている状態。まだ、その深みに嵌ったばかり。いつか鎖につながれる日が訪れる。
佐野が愛するのはスパンキング用の黒い棒。その痛みは現実で、夢でも、想像でもない。
与えられる痛みに住友は濡れるのか。佐野の欲求は満たされるのか。この関係は、どちらがどこまで耐えられるか、我慢比べでもしているようだった。
ついに根を上げた佐野は関係の終わりを告げる。だが、住友は決して諦めなかった。二人の荒々しいまでの心と心の衝突に共に飲まれ、共に落ちる。
露出した心の叫びを互いに知った時、二人の関係が一歩進んだように感じた。だが、それはほんの少しの間だけで、目の前にそびえ立つ大きな壁は、そう易々と崩れてはくれない。
互いの欲するものが異なることを改めて知った時、二人の関係が混沌とした迷路の中に存在した。
その迷路には己の力だけで見出せる出口はなく、彷徨う佐野と住友は苦悩に押し潰されそうになっていた。答えを与えるのはSMクラブのスタッフであるチョコと佐野のパートナー珠理。二人に告げられた関係の真実。
求められない感情と否定し続けた感情の存在に、真っ向から向き合うことができれば、佐野と住友の特別な関係に未来が見えるだろう。
その関係に愛はあるのか? それとも、その関係に愛情など必要ないのか?
(各ストーリーのあらすじから本編にリンクします)
「二人の出会い」→あなたに愛を、僕に鎖を1、2、3、
「佐野の難題」→あなたに愛を、僕に鎖を4、5、6、
「関係の始まり」→あなたに愛を、僕に鎖を7、8、
「主人と奴隷」→あなたに愛を、僕に鎖を9、10、11、
「住友の調教」→あなたに愛を、僕に鎖を12、13、14、
「関係の危機」→あなたに愛を、僕に鎖を15、16、17、
「住友の想い」→あなたに愛を、僕に鎖を18、19、20、21、
「佐野の迷い」→あなたに愛を、僕に鎖を22、23、
「愛情の存在」→あなたに愛を、僕に鎖を24、25、26[完結]
番外編を予定しておりますが、掲載できる日はまだ未定です。
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